페인트 / 이희영 を読んで【韓国書籍】
17冊目
페인트 / 이희영
ペイント / イ・ヒヨン
第12回チャンビ青少年文学賞を受賞した作品です。
「両親を選択できるとしたら、誰を選びますか?」という帯の文句からして、興味を惹かれます。
近未来SFという舞台に、「国家の子どもたち」である主人公が、なんと両親の面接をして父母を選ぶという設定!
青少年が読んだらさぞ面白いと思いますが、大人が読んでも充分に楽しめる、しっかりとした内容です。
多読おすすめポイント
- 198ページ(プラス後書き3ページ)という適切な分量
長編小説だとやっぱり300ページほどの作品が多いんですよね。
韓国語での読書に慣れてきていればOKですが、最初のほうはやっぱり、300ページというのは、なかなかしんどいんですよね。
その点200ページ未満のペイントは、本当に気軽に読み始められると思います。
- 会話文が多く読みやすい
友だちとの会話、保護官たちとの会話、親候補との面接での会話、などなど。
会話のシーンがとても多いです。
会話のシーンは一文が短いので意味が取りやすく、小難しい語彙もほぼ無く、理解がしやすい箇所ですよね。
(臨場感が出るので単純に面白いという利点もありますし)
- 登場人物が限定的
主人公は外部と隔絶された施設の中で暮らしていて、外界に出ることがほとんどありません。
なので、自然と登場人物が限定されてきます。
近しい友人と保護官が2人ずつ、そして親候補の2人が主な登場人物です。
限定的なぶん、ひとりひとりへの理解が深まり、多読の面からも読みやすいです。
心に残る言葉
青少年小説らしく、端々にキラキラと光る素敵なフレーズが散りばめられています。
そのなかで私が気に入った一節はこちら!
삶이란 결국 몰랐던 것을 끊임없이 깨달아 가는 과정이고 그것을 통해 기쁨을 느끼는 긴 여행 아닐까?
페인트
「生きるとは結局、知らなかったことを悟っていく終わりのない過程で、それによって喜びを感じる、長い旅なんじゃないかな」というわけですね!
非常に共感できる、名台詞です。
なお、日本語翻訳版も出版されているため、多読にまだ不安のある方は、読み比べながら読み進めても面白いんじゃないかな、と思います。
以上、「ペイント」の感想でした~!