살아 있는 자들을 위한 죽음 수업 / 이호 を読んで【韓国書籍】
59冊目
살아 있는 자들을 위한 죽음 수업 / 이호
生きている者たちのための死の授業 / イ・ホ
テレビ出演もされている法医学者の方が書いた一冊。

専門用語はほぼ出てこず、プレーンで易しい言葉で書かれています。
法医学者の本だなんて難しそう…と思って読み始めたのですが、知らない単語がほとんど出てこず、むしろものすごく読みやすかったです。
難しいことを易しい言葉で説明できる、著者の文才に脱帽です!
自然と湧き上がるリスペクトの気持ち
著者が何故、法医学者を目指すことになったか、どのように学生時代を送って、どのように歩んできたか。
学生運動をしていた頃の気持ちや、検死(変死体を解剖して原因を探る)に対する姿勢など、
丁寧に描かれた著者の日常を読むと、自然に尊敬の気持ちが湧いてきて、好感を持たずにはいられないです。
無念の死を遂げた者の代弁者として、どれだけ真摯な姿勢で働いているのか。
残された遺族のケアにどれだけ心を砕いているのか。(子どもたちのための支援団体まで立ち上げている!)
天職についた方というのはこういう方のことを言うのだろうな、と思いました。
司法手続きの違い
読んでいておどろいたことがひとつ。
日本では医師の発行する死亡診断書をもって死亡届と火葬申請書を役所に提出し、
火葬許可証を受け取ってからのお葬式、という流れですよね。
なんと韓国では役所への登録→お葬式、の流れとは反対だそうで!
土葬もしくは火葬をしてお葬式を出した後に、役所への死亡登録、という流れなのだそうです。
これを著者は韓国のシステムの改善すべき点として挙げています。
遺体に疑わしい点がないかどうか判断できる専門家である、法医学者が介入できる余地がないのだそうです。
著者の哲学
この本は、実際にあった検死エピソード(どういった事件で、解剖の結果、判明したことは…)も相当興味深いのですが、
著者の生と死、幸せや生き方についての哲学も、すごく面白いです。
- 幸せとは
完全な幸せを目指してつらい日々を過ごし、達成したある日に突然叶うものが幸せなのではなく、
日々そこにあるものが幸せだ、と著者は語ります。
友人との食事に向かうその道、その時間が幸せだ。
幸せは課程にある、ということですね。
- 良い死とは
個人的に尊厳死を支持していると語ります。
尊厳死について、もっと議論されるべきだ、と。
はやいか遅いかタイミングが分からないだけで、人間は必ず死ぬのだ、ということを
日々検死をされている法医学者の方が語ると、ものすごい説得力を伴うということを知りました…
感想
ものすごく楽しく読みました。
誠実な著者の人柄にも好感が持てますし、平易な言葉でわかりやすく語ってくれて、
普段知らない世界(事件、変死体、解剖、司法制度)も垣間見れるので、非常に興味深いです。
一押しのおすすめ本です!