고통에 관하여 / 정보라 を読んで【韓国書籍】
68冊目
고통에 관하여 / 정보라
苦痛に関して / チョン・ボラ
苦痛が完全に消えた世界が舞台です。

心惹かれる設定
副作用も無く中毒にもならない、完璧な鎮痛剤が開発されて、人々が苦痛から完全に開放された世界。
そこに、苦痛を乗り越えることで悟りをひらく新興宗教が現れます。
その新興宗教によると、苦痛も身体があるからこそ感じることができるもので、快楽と苦痛は根源が同じである…という主張です。
苦痛のない世界で、わざわざ作り出した苦痛を段階的に体験し、ひとつひとつ乗り越えていく修行…
まったく理解できませんが、新興宗教とはそもそもそういうものです。
チョン・ボラ作家について
なんと、イギリスのブッカー賞の候補になったことがある作家さんらしいです。
知らずに読みましたが、知って納得しました。まさに、なんというか、ブッカー賞的な雰囲気があります。笑
少し小難しくて、確立された世界観、哲学的で抽象的なところがあり、動か静で言えば静、明るいか暗いかで言えば暗いほうに属するような話でした。
感想
- 突然の性的なシーン
読み始めで出てくるのでびっくりしました。
しかもわりと詳細な描写で…
こういったシーンは、日本で読んでいたならば満員電車のなかでも涼しい顔で読めるのですが(きっと周囲には分からないはず)、
韓国の図書館で読んでいたので、いつ隣の人や後ろを通りすがる人がちらっと見て「えっ」と思うのではないかと、気が気ではありませんでした。
しかも何度か出てくるので、そのたびに「えっ、また…!」と思って、焦って読み進めるはめに。笑
序盤は家で読むのをおすすめします(韓国で読むのであれば)
- 突然の地球外生命体の出現
個人的には「えー…」と思った部分なのですが、宇宙人出てきます。
- 名前が覚えにくい
경, 한, 현, 태…と、登場人物の名前がハングル一文字です。
中盤までは、場面が変わるたびに「キョンって…誰だっけ」、「テって…誰だっけ」のように混乱していました。
幸い、本の最初には名前の一覧表があるので、要所要所で見返すことができます。
- ジェンダー感が最新
この世界では同性婚が当たり前のように存在し、科学技術の力で子どもを作ることも可能です。
また、トランスジェンダーの刑事も登場しますが、こちらは差別を受けていた描写もあったので、まだ生きにくい部分もある世界のようでした。
- 難解さ
母語で読んでいるときには気にならないのですが、外国語で本を読んでいるととにかく難しいのが、抽象的な描写。
哲学的な部分や、繊細な思考の描写は、母語で読むよりも数倍難解に感じます。
外国語多読初心者は、描写が具体的で、実際に事件や物事が起こり、物語がどんどん展開していく小説が読みやすいです。
そういった意味でこの本は、深い思考、抽象的で哲学的な概念など、読みにくい部分がありました。
外国語多読上級者向きの本だと思います。
以上、「苦痛に関して」の感想でした~!