바깥은 여름 / 김애란 を読んで【韓国書籍】
65冊目
바깥은 여름 / 김애란
外は夏 / キム・エラン
短編集です。

7編の短編が収録されています。
外は夏ということは…
この短編集は、すべての話が暗く、読みながら精神的に引きずられて、個人的には少々つらかったです。
外は夏だけど、扉の内側は夏ではないんです。暗いんですよね。暗い中に居て、でも外(自分と関係のない、扉を隔てた向こう側)は夏なのを知っている感じというか…。
冗談で副題をつけるなら、「ここは冬」といったところでしょうか(あっ!石を投げないでください!冗談ですから!)
抽象的な話も
3編ほど暗くつらい話を読んで、充分に憂鬱になったところで、突然抽象的な短編が出てきます。
침묵의 미래(沈黙の未来)というタイトルの短編です。
読み始めはだいぶ困惑するのですが、読み進めるにつれ、これがかなり面白いんですよ。
言語の博物館があり、そこには絶滅寸前の言語の話者たちが、人権がまるで無視されたような状態で展示されているんですよね。
まったく非現実的な話なんですが、妙にひかれるものがありました。
ぞっとした話
読むのがつらい話ばかりでしたが、そのなかで一番ぞっとして心が痛かった話は断トツでこちら。
풍경의 쓸모(風景の使い道)です。
色々な人の色々な不幸が交差する話ではあるのですが、不幸のなかのひとつとして
飲酒運転で事故を起こした車の助手席に主人公が乗っていたことを発端に、もう本当にガックシ肩を落としたくなるような展開が続きます。
この話は本当に…人間の弱いところや嫌なところをまざまざと見せつけられるような話でした。
主人公が、不採用を偶然に知ってしまった電話の、後味が悪いこと悪いこと……
あまりに後味が悪すぎて、著者の筆力の凄まじさも感じました。
気に入った話
7編のなかで一番気に入ったのは最後に収録されていた 어디로 가고 싶으신가요(どこに行きたいのですか)です。
夫を亡くした主人公が、しばらくの間、英国で過ごすことになり、そこで久々に再会した人は…というストーリーで、
喪失の話ではあるものの、この話は他の話に比べるとほんの少しだけ、美しさと浪漫がありました。
なので顔をしかめずに済み、その喪失に、素直に胸を痛めることができたような気がします。
最後の手紙はまったく予想しなかった展開で、思わず視界がにじみそうになるのをグッと堪えました。
感想
読んだときの自分の精神状態が、たまたま余裕がなかった時期ということもあり…
なかなかつらい気持ちで読みましたが、こんなに感情移入ができるというのもすごいことです。
キム・エラン作家の作品ははじめて読んだのですが、次も読んでみようと思える作家さんでした。
(しかし次はなるべく明るい作品を選んで読みたいですね)
以上、「外は夏」の感想でした~!