原書多読

정아에 대해 말하자면 / 김현진 を読んで【韓国書籍】

54冊目

정아에 대해 말하자면 / 김현진

ジョンアについて言えば / キム・ヒョンジン

短編集です。

気に入った3篇を紹介

なんというか、話によって雰囲気の強弱がだいぶ違う感じがしました。

私が良いなと思ったのは次の3篇です。

  • ジョンア(정아)

すごく運が悪いというわけでもないけれど、自分の人生に満足していないのがひしひしと伝わってくるジョンアが、

ある日とった逸脱した行動の顛末…

案外身近にいるかもれない、くらいの不幸です。

すごく悪い人は出てこないのに、なんでか知らないけれどみんな不幸…という感じ。

シンプルなようでいて、すごく練られている物語という感じがして、良かったです。

  • チョン・ジョンウン氏の場合(정정은씨의 경우)

苦労時代を支えたのに成功した彼氏に捨てられる、という古今東西非常によくあるストーリーなのですが

韓国特有の家族関係の強さや、露骨な外見・年齢至上主義、学歴とお金を重視する社会…などなどが

実にこの古典的なストーリーとよく合うことが判明。非常に興味深く読みました。

本当に面白く読んだのですが、これは韓国社会に揉まれて疲れている人の心には、

結構深刻に刺さるかもしれない…とも思いました(韓国に住んでいるときに読まなくて良かった)

  • アウトファイター(아웃파이)

これは結末がスカッとします

そうだよそうだよ!と思いました。

本作のなかで、一番後味の良い話はこれですね。

連作小説?

表紙にバーンと書いてあるのですよね。

「キム・ヒョンジン 連作小説」と。

なので、連作短編集なのかな?と思って読み進めるも、話がつながっているようには感じられず…

何故…と思いながらたどり着いたエビローグで、「なるほど!」となりました。

タイトルに偽りなし。たしかに連作でした。

ネタバレになってしまうので、詳しく書けないのが残念ですが…

フェミニズム小説

ジャンルはフェミニズムになるのでしょうか…

江南の事件の話も出てきます。

問題提起になる話が多いからかもしれませんが、全体的に韓国社会の悪い部分にフォーカスしています。

個人的にはとても面白く読みました(一部、戸惑った表現もあるにはありましたが…)

以上、「ジョンアについて言えば」の感想でした~!

MARIKO

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