여름을 한 입 베어 물었더니 / 이꽃님 を読んで【韓国書籍】
46冊目
여름을 한 입 베어 물었더니 / 이꽃님
夏を一口かじったら / イ・コンニム
세계를 건너 너에게 갈게(世界を超えて私はあなたに会いに行く)がものすごく良かったイ・コンニム作家。
この著者の作品を読むのはこれで2冊目です。

爽やかな表紙!
方言のインパクト
架空の都市が舞台なのですが、慶尚北道の設定です。
会話の部分は、ほとんどが方言と思ってOKです。
しかもちょっとアクセントが違うくらいの方言ではなく、すごく…本格的な方言?というか。
韓国語を学び始めて日が浅い人には、これは結構難しいのではないかと思いました。
方言で、語尾が見慣れなかったりすると、肯定なんだか否定なんだか分からなくなって混乱したりするじゃないですか……。
朗読の力
私は「ミリーの書斎」という韓国のアプリで朗読を聞きながら読んだのですが、方言部分は朗読がなかったらだいぶ難しかっただろうな…と思います。
慶尚道の方言には慣れてる!というわけでなければ、この本は本当に朗読を聞きながらの読書をおすすめしたいです。
朗読を聞きながらだと口調があるので意味もとりやすく、方言の雰囲気もじっくり味わえます。
そして方言を話す村の人々の優しい喋りに胸がきゅっとなり、感動もひときわ大きくなること間違いなしです!
ストーリの良さ
イ・コンニム作家への信頼感が増した一冊でした。
青少年小説と侮ることなかれ。
正しい判断とは…その時の最善の選択とは…自分だったらどうしただろう、と考えてしまうシーンが多かったです。
人生には、どうにもならないことがありますね。
その、どうにもならないことが、この小説にはたくさん出てきて、それぞれ悩み、苦しみ、乗り越えていく姿が描かれています。
とても素敵なストーリーです。
優しくあたたかい気持ちになる一冊でした。
日本語翻訳版がない
こんなに良い話なのに、翻訳が出ていないなんて!
本当にもったいないです。いい話なのに…
方言がたくさん出てくる、という一点を抜かせば、この本はとても読みやすいです。
191ページと、ボリューム的にも挑戦しやすく、難しい単語もほとんど出てきません。
流行語や短縮した単語や過度な固有名詞もないので、すらすらと読みやすいはずです。
ただ、たまに方言に振り回されて混乱する以外は……。笑
以上、「夏を一口かじったら」の感想でした。おすすめです!