연년세세 / 황정은 を読んで【韓国書籍】
30冊目
연년세세 / 황정은
年年歳歳 / ファン・ジョンウン
連作小説です。
難しい語彙をたくさん使う作家さんなのか、読むのに非常に時間がかかり(そして調べる時間が多いと、集中力が続かない)
途中で中断しようかな…という考えが何度かよぎるも、その都度よい表現などが出てきて、やめることもできず、
188ページという非常にボリュームの少ない本なのにも関わらず、結局4週間くらいかけて読み切りました。
心に響いたフレーズ
坦々とした文章が続くなかで、時折本当にハッとする部分が出てくるんですよ。
더러운 도랑물을 마시고 그리고 거기서 죽을 것이다
연년세세
「汚いどぶ水を飲んで、そしてそこで死ぬだろう」というこのフレーズは、
ヴァージニア・ウルフというイギリスの小説家のフレーズらしいんですが、
그걸 계속 생각하다보면 내가 결국은 여기서, 벗어날 수 없겠다는 생각으로 이어진다고.
어른이 되면 조금 더 많은 걸 할 수 있을 거라고 생각했는데 말이야
연년세세
小説の登場人物は、このように言うんですね。
「それをずっと考えていると、私が結局はここから、抜け出せないだろうっていう考えにつながるんだよ。
大人になれば、少しはもっと多くのことを出来るだろうと思っていたのに」
おもわず、自身をふりかえって思いを巡らせてしまう表現です(どぶ水ではないにせよ・・・)
まあ、私の場合は「ここの水を飲んで、そしてここで死ぬだろう」くらいですけれど・・・
語彙力
多読の観点から。この本を読むには結構な語彙力が必要です!
また、章ごとに語り手も変わるし(連作小説なので)、語られる人生もわりと波乱万丈な人生だったりするので本来は飽きないはずなんですが、
とにかく落ち着いた、坦々とした表現で進むので、読んでいるとちょっと集中力が迷子になりがちです。
ネイティブが読めばまた感想も変わるでしょうけれども、外国人の多読という観点から見た場合は初心者殺しなので要注意。
188ページという読みやすそうなページ数に安易に手に取るのはおすすめできません(私のことです)
結論:この本は、上級者向け
以上、「年年歳歳」の感想でした~!