채식주의자 / 한강 を読んで【韓国書籍】
28冊目
채식주의자 / 한강
菜食主義者 / ハン・ガン
ブッカー賞作家であるハン・ガンの作品は、いつか読もういつか読もうと思いつつ、後まわしになっていました。
そうこうしているうちに、ノーベル賞受賞のニュースが流れ、「わあ、これはもう本当に読もう」と思って手に取ったという経緯です。
暴力について
そもそも、読もう読もうと思いつつ躊躇っていた理由があります。
この本が「暴力3部作」と呼ばれているだとか、人間の本能の暴力性を描いた話だとか、そういったレビューや解説を見て
「それはちょっと読むのに精神力が要りそうだな・・・」と思っていたためです。
蓋を開けて見たら、確かに暴力の描写ではあるのですが、なんというか、想像していたよりもだいぶ内面的な話でした。
描かれているのは、「暴力」というよりは「暴力性」です。
暴力描写はちょっとな…みたいな原因で読むのを迷っている方がいたら、そこは大丈夫(あるにはあるけど)とお伝えしたいです。
難解という噂は・・?
読む前から、もう前評判がすごいんですよね。
「よく分からなかった」 「理解が難しい」 「とにかく暗い」などなど・・
ザ・純文学みたいな感じなんだろうなあ、と覚悟して読んだんですが、意外(?)なことに、章によって難解さが違います!
「菜食主義者」は3つの章で成り立っているんですが、1章目だけだったら、ここまで難解だという評判は聞かなかったんじゃないかな…と思います。
(そしてここまでの高評価にもならなかったのかもしれません)
1章目はわりと取っつきやすいです。「ふーん」と思いながら、ストーリーを追っていけます。
対して、2章目は官能的で衝撃的。展開が気になるので、わりと物語に没頭して読み進めていけます。
それに続く3章目。たぶん難解だと言われる原因はここですよね。
3章目はこれまでに起こったすべての事象の解説のようでいて、結局だから何なんだという脱力した気持ちにさせるような部分でもあり、
ずっしり気持ちが重くなるも、しかしこれが人間の生だという気持ちになるような、そういう話でした。
日本の純文学をお好きな方はきっと好きです。
(さすが隣国。純文学的情緒がかなり似ている部分があると思いました)
以上、ノーベル賞作家ハン・ガンの代表作である「菜食主義者」の感想でした。