原州通信 원주통신 / イ・ギホ 著, 清水知佐子 訳【多読入門】
9冊目
原州通信 / イ・ギホ 著, 清水知佐子 訳
원주통신 / 이기호
韓国文学ショートショート きむ ふなセレクションというシリーズの05番の本です。
このシリーズは日本語と韓国語の両方で読めて、持ち歩きにも適したサイズと軽さで、非常におすすめです。
ユーモア溢れる文体
この本が初心者の多読に向いてるなと思った一番大きな要因がこれです。
一文一文がユーモラスで、読んでいる最中にふふふ、と思えるような表現が満載です。
世の中にはいろいろな小説がありますが、推理小説に多いような、「最後まで読んで、もしくは終盤になってはじめて、痺れるような強烈な面白さを感じる」小説は結構多いものです。
日本語で読むのであればそれでいいんですが、慣れない言語で読む場合、面白さを感じるまでの道のりが遠いと、結構しんどいですよね。
要はモチベーションが持続しないんですよ。「今すぐ」面白くなければ。
その点、この小説は完璧です。
1ページ目から、うっすらとユーモアを含んだ絶妙な面白さの文体でスタートします。
読んでいるまさにその瞬間が面白いので、次の一文を読もうというモチベーションが常に持続する状態で読み進めていけます。
これは初心者多読にとってかなり大きな利点です。
韓国の大河小説「土地」
「原州通信」のなかで大きな意味を持つ小説「土地」は実在する韓国の大河小説です。
実名で出てくる「土地」の著者パク・キョンニ先生も、もちろん実在の人物です。
全20巻の超大作大河小説(しかも1冊あたり400ページ前後のボリュームらしいです)なので、読み始めるのにちょっと覚悟がいりますよね。
1969年に執筆を開始して、1994年に完成したそうで、執筆期間も25年というめちゃくちゃな長さです・・!
だけど、いつか必ず原語で読みたいと思っている小説のうちのひとつです。
(今はまだ、実力が足りなさそうなので、きっとだいぶ先の話にはなりますが・・)
感想
シンプルに面白いです!おすすめです!
日本語→訳文が非常に読みやすく、すらすらと読めて良いです。
韓国語→やはり韓国語で読むからこその原文の楽しさというのを味わえます。
以上、「原州通信」の感想でした~!