대도시의 사랑법 / 박상영 を読んで【韓国書籍】
21冊目
대도시의 사랑법 / 박상영
大都会の愛し方 / パク・サンヨン
韓国のクィア文学です。
連作小説
4編で構成された連作小説です。
そのうち、最初の話である「ジェヒ」が今年の秋に映画公開を控えている作品のようです。
個人的にも1つめの「ジェヒ」を一番楽しく読みました。
多読の観点から
英語の F-word などに相当する 욕(悪口というか、罵詈雑言というか)がたくさん出てきます。笑
あとはブランド名などの固有名詞がバンバン出てくるので、知らない単語かと思ったら固有名詞だった、みたいなことが起こりえます。
分量は344ページと、適度なボリューム。
語彙的な難易度も中程度といったところだと思います。
固有名詞の多さから
本当に固有名詞が多いんですよ。
ブランド名や地名、カフェチェーン店の名前などはともかく、歌手名や曲名などは、数十年後には読むのに注釈が必要になるのでは?と思うほど。
そして実際に注釈が山ほど入っている日本のバブル小説「なんとなく、クリスタル」を思い出したのでした。笑
「なんとなく、クリスタル」
「なんとなく、クリスタル」は1981年発行の田中康夫の小説なんですが、
バブル景気に沸いた時代の裕福で最先端な女子大生の生活を、これでもかというくらいの固有名詞を散りばめて描いた小説です。
「頭の空っぽな女子大生がブランド物をたくさんぶら下げて歩いている小説」という悪評もたくさん受けたそうなんですが、それは小説の表面を撫でただけですよね。
「大都会の愛し方」も同じように言えるのかもしれません。
「いつも飲んだくれて不特定多数と関係を持ち、遊び歩いてる小説」に見えなくもないですが、これも表面上の話です。
「なんとなく、クリスタル」を気に入らない層が一定数いたように、「大都会の愛し方」も受け入れられない層は一定数存在するだろうなと思います。
個人的には、「大都会の愛し方」は社会構造的な問題や、潜在的な差別の存在を指摘していて、目から鱗が落ちる部分もありました。
以上、「大都会の愛し方」の感想でした。