언어의 온도 / 이기주 を読んで【韓国書籍】
15冊目
언어의 온도 / 이기주
言葉の温度 / イ・ギジュ
韓国でベストセラーになったエッセイです。
この表紙は170万部記念エディションだそうです。
韓国の小説はたくさん売れると〇〇万部記念エディションとして、表紙が変わったスペシャルバージョンが出るのをよく見ますね。
多読の観点から
この本はかなり多読向きだなと思ったので、多読の観点からおすすめポイントを紹介します。
- エッセイはとにかく読みやすい
ひとつのテーマが1ページから3ページほどで構成されています。ちょうど集中力が続く文字量です。
全体で300ページちょいある本ですが、ページ内に余白が多いので、実際の分量はそれほどではありません。
体験談や伝聞をもとにした、日常に密接したテーマが多いのも読みやすいポイントです。
- 漢字語に、ちょこちょこルビがふってある
こんな感じです。
그리운 맛은, 그리운 기억을 호출呼出한다
언어의 온도
「ここ!」という部分で、こういった漢字のルビがあるので、漢字圏の読者としては非常にありがたいです。
初めて聞くような難しい四字熟語や表現も出てくるんですが、そういうときはエッセイのなかで丁寧な解説があったりします。
- 知らない単語をある程度、読み飛ばせる
ここが小説とは違う点というか、エッセイが多読向きである一番の要因です。
文を読んでいると、知らない単語がポツポツと出てきますよね。
この本の場合、思い切って読み飛ばしてしまっても、意味は取れる文章がほとんどです。
そして細かく調べる必要がないと、外出先で読むのに最適なんですね!
ちょっとした待ち時間や、電車の中などで、気楽に少しずつ読み進めていける本です。
共感できる文章の多さ
まるで友人とカフェで話し込んでいるときのような、身近で等身大の話題が多いです。
흔히들 말한다. 상대가 원하는 걸 해주는 것이 사랑이라고. 하지만 (중략) 상대가 싫어하는 걸 하지 않는 것이야 말로 큰 사랑이 아닐까
언어의 온도
「相手が望むことをしてあげるのが愛だとよく言うけれど、相手が嫌がることをしないことこそが、大きな愛ではないか」と言っているわけですね。
そういえば、山田詠美のエッセイにもこんな話がありました。
付き合う相手と、好きなことは一致していなくてもいい。
むしろ、嫌いなこと、「これは許せない」と思うことが一致していると、うまくいく。
だいぶ昔のエッセイだった気もしますが、印象的だったので、記憶に残っています。
희망이 없는 곳, 아무런 희망이 없는 막막한 상황이 영원히 지속하는 곳, 그곳이 진짜 지옥이다
언어의 온도
「希望が無い場所。どんな希望もないお先真っ暗な状況が永遠に続く場所が、本当の地獄だ」というわけです。
これなんてまさに、深夜のサイゼリヤで友人と語り合ってる内容そのままじゃないですか?!
共感しすぎて首がもげるかと思いました。
「大事なのは希望なんだよ~!どんなつらい境遇でも、希望があれば乗り切れるんだよ!」
「そうそう、希望がなくなったところが地獄の始まり」
「ほんとそれ」
というサイゼリヤ(もしくは居酒屋、もしくはバーミヤン)での会話が目に浮かびます。
以上、 언어의 온도 (言葉の温度)の感想でした。