아홉살 인생 / 위기철 を読んで【韓国書籍】
11冊目
아홉살 인생 / 위기철
9歳の人生 / ウィ・ギチョル
9歳の子どもの目から見た世界ですが、大人が読んでも充分に面白い本です。
舞台は1970年代後半の韓国。当時のソウルの貧しい地域の暮らしのリアルを垣間見れることも、この本の醍醐味のひとつです。
ちなみに描かれているのは70年代ですが、本が出版されたのは1991年のため、昔の言葉遣いではないです!現代語で読みやすいです!(多読にこれは本当に重要)
なお、2004年に映画化もされているそうです。
ベストセラーになっただけあって、本当に面白いです。
1章が短いため読みやすく、内容も面白く、今まで私が読んだ韓国語の本のなかで一番多読に向いていると思った本です。
9歳の頃を振り返りながら、大人になった著者が文を組み立てているというスタイルなので、文章もいい感じにユーモアが効いています。
冒頭の面白かった箇所を一部紹介すると、こんな感じです。
- 両親が結婚前に子ども(主人公)を授かったことについて
알다시피 인류의 상당수는 실수로 태어나며, 나 또한 그 가운데 한 명이다. 하지만 모든 실수가 딱히 나쁜 결과만 맺는 것은 아니다.
아홉살 인생
ご存じの通り、人類のうちけっこうな人数がうっかりミスから産まれていて、僕もまさにそのひとりだ。だけど、すべての失敗が悪い結果を連れてくるわけじゃない。
9歳の人生
また、子どもの視点と大人の視点を交差させることで、人間の虚栄心を浮き彫りにさせるような、ハッとする場面もありました。
- 盲腸の摘出手術をした同級生の気持ちが理解できずに「盲腸の何がそんなに重要なの?」と尋ねる主人公に対して、同級生はこう答えます。
물론 맹장 따위는 아무짝에도 쓸모없어. 하지만 중요한 건, 다른 사람들이 누구나 가지고 있는 걸 내가 못 가졌다는 사실이야. 난 그걸 참을 수 없는 거야. 이해할 수 있겠니?
아홉살 인생
もちろん盲腸なんて全然なくてもいいんだけど。そうじゃなくて、他人がみんな持ってるものを私が持ってないっていう、その事実が重要なの。それに耐えられないの。わかる?
9歳の人生
これに対して、主人公の少年はこう考えます。
물론 이해할 수 없었다. 아홉 살은 사람들의 부질없는 허영심까지 이해할 수 있는 나이가 아니므로.
아홉살 인생
もちろん理解できなかった。9歳は人間のつまらない虚栄心まで理解できる年ではないので。
9歳の人生
同級生は9歳という主人公と同じ年齢ですが、盲腸を失うという経験を通して、大人のつまらない虚栄心を、一足先に学んだわけですね。
語ろうとするとキリがないほど、印象的で面白いエピソードが多かった作品です。
多読教材としてもおあつらえ向きなので、是非是非挑戦してみてくださいね!
ちなみに日本語翻訳版も出ているので、多読しようとして挫折しても続きが読めるという利点もあります!笑
(翻訳版は絶版のようですが公共の図書館などで探せると思います~)