코리안 티처 / 서수진 を読んで【韓国書籍】
8冊目
코리안 티처 / 서수진
コリアン・ティーチャー / ソ・スジン
語学堂の先生が主人公の小説ということで、興味を持って読んでみました。
韓国の大学に付属している語学堂が舞台です。
語学堂は通常、3ヶ月で1学期です。
なので春学期・夏学期・秋学期・冬学期といったように、1年を4つに分けるカリキュラムが多いです。
この小説は、春・夏・秋・冬の4つの学期にプラスして、冬の短期課程、合計5つの章で構成されています。
面白い点
- 章によって主人公が変わります。
全員が語学堂の先生なんですが、それぞれ立場が違うので、見ている景色が違ったりします。
語り手が変わると飽きないので、最後まで引っ張られながら面白く読めます。
また、一人の語り手の状況を次の章では別の語り手が客観的に眺めていたりするので、一つの出来事をいろんな面から見れるのも面白かったです。
惜しい点
- 悪いことばかりが起こります。明るい話ではないです。
非正規雇用、やりがい搾取、など、社会に対しての問題提起意識が強い作品です。
それはとても良いのですが、何しろそのため本全体の雰囲気が明るくはないです。
ただ、小難しく書いてあるわけではないため、多読目的で気楽に読むことも可能です。
この本は第25回ハンギョレ文学賞を受賞しています。
ハンギョレとは韓国の日刊新聞(ハンギョレ新聞)なんですが、右か左かで言うと、左寄りの新聞です。
そのため労働雇用問題、社会の搾取構造などにピントを合わせたこの小説が、評価されやすかったのかな、などと想像しました。
韓国語教育の現場が舞台の小説なので、韓国語学習者にはうってつけの多読教材になります。
是非読んでみてください。